世界中の美しい花をモチーフにした、優雅で洗練された音の花束
美しい花々を冠した珠玉の名曲をセレクションした、ピアニスト山元香那子のデビュー・アルバムです。
西洋、東洋を問わず、広く名曲として知られている「花」の名曲の数々は、馥郁たるロマンティシズムを湛えながらも、時に力強い生命の営みを感じます。まさに百花繚乱たる薫り立つような音の花束Bouquetをお楽しみください。

【美とやさしさに溢れた、音楽のブーケに寄せて】
ピアニスト・山元香那子の演奏にずっと憧れてきた私が、今回こうしてデビュー・アルバムの解説を書かせて頂けることを光栄に思う。山元さんとは国立音楽大学の附属中学校から大学院までの先輩後輩の関係であり、中学1年生のときに初めて先輩の演奏を聴いたときから、長きにわたってひとりのファンとしてその演奏を聴かせてもらってきた。普段は常に柔らかい笑顔をたたえて明るい山元さんだが、ピアノを演奏するときには、纏う空気がたちまち一変する。どこまでもまっすぐで、揺らぐことのない芯の強さがあるのだ。その一本筋の通ったひたむきな演奏が、たくさんの色を感じさせる音色を届けてくれる。
今回、アルバム制作にあたってはコンセプトや曲目を決めるところから関わらせて頂いた。山元さんのふんわりとした優しさや凛としたたたずまいを余すことなく伝えられる曲目は一体何だろう…と考えていくうちに、“花”のイメージが浮かんだ。花は美しい姿はもちろんだが、うっとりとしてしまう香りや、時には場の空気を一変させてしまうような力強さも持っている。これはまさに山元さんの演奏のイメージにふさわしい! ! …ということから、“花”にまつわる楽曲を中心としたプログラムができあがった。今回の収録曲、どれも旋律の歌いまわしからはソリストだけではなくアンサンブルピアニストとしても活躍している山元さんだからこその歌心が感じられ、ハーモニーの変化を大切にしながら、音楽を立体的に作り上げていることも伝わってくるだろう。
リストの「森のささやき」、「ラ・カンパネラ」については、直接“花”に関わる曲ではない。しかし、この作曲家は山元さんにとってとても大切な作曲家であり、私自身、ぜひ山元さんの演奏するリストを多くの方に届けたいという想いもあり、収録をお願いした。慈しむように音を奏でる山元さんのリストは、未だに多くの人々に根付いている、“超絶技巧”で“派手”なイメージのリスト像を崩してくれる美しさに満ちており、“花”をコンセプトにしたアルバムに、より鮮やかな色彩感を与えている。
最後になってしまったが、コンセプト決めから収録、ブックレットまで、制作にあたってはプロデューサーでありエンジニアである武藤敏樹さんに多くの助力を頂いた。山元さんと私の咲き乱れるように広がった想いとアイディアを最大限に汲み取りながら、美しい「ブーケ」に整えてくださったその手腕に、心からの尊敬と感謝を述べたい。そしてこの音楽の花束が多くの人々の手に渡ることを願っている。

長井進之介

内容紹介

1. 山田耕筰: からたちの花
2. リスト: 森のささやき ~ 2つの演奏会用練習曲 第1曲
3. ペヤチェヴィチ: ばら ~ 花の一生 作品19 第5曲
4. ラヴェル: 高雅で感傷的なワルツ
5. シベリウス: カーネーション~5つの小品「花の組曲」作品85 第2曲
6. ラフマニノフ: リラの花 ~ 12の歌曲 作品21 第5曲
7. シューマン: 花の曲 作品19
8. マクダウェル: 睡蓮に寄す ~ 森のスケッチ 作品51 第6曲
9. リスト: ラ・カンパネラ ~ パガニーニ大練習曲集 第3番
10. ラフマニノフ: ひなぎく ~ 6つの歌曲 作品38 第3曲
11. ランゲ: 花の歌 作品39
12. チャイコフスキー: 松雪草 ~ 四季 作品37a 第4曲 4月
13. 平井康三郎: 幻想曲「さくらさくら」

山元香那子(ピアノ)
Kanako Yamamoto, Piano

レーベル: アールアンフィニ
企画制作: ソニー・ミュージックダイレクト
発売: ミューズエンターテインメント
録音: 2020年10月27日〜28日 DSD 11. 2MHz(DSD 256)レコーディング
SACDハイブリッド盤 ※通常のCDプレイヤーでお聴き頂けます。

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